第189章

午後二時、高橋遥は自ら車を運転して、稲垣七海を稲垣グループに連れていった。

稲垣七海は犬を連れていくことに固執した。

高橋遥が車を停めると、

稲垣七海は小犬を抱いてロビーに駆け込み、はしゃぎ回った。シェリーは犬なのに人の気持ちがわかるのか、ここが自分の家の会社だと知っているかのように、四本の短い足を横に振って歩いていた……

目の前に一組のハイヒールが止まり、続いて冷たい女性の声が聞こえた。「ここはなぜ子供と犬がいるの?警備員はどこ?なぜその犬を外に連れ出さないの?」

ちょうどその時、高橋遥が入ってきた。彼女は白井雪菜を見た。

白井雪菜も彼女を見て一瞬驚き、そして稲垣七海を見た。

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